Engineer & Staff interview - エンジニア&スタッフインタビュー10

Webアプリケーション開発経験が豊富なM.U.さん。このたび、新たにAI関連の業務に就くことになりました。前回のインタビュー(2021年4月)から約2年近く経ちましたが、全くの別分野であるAIにチャレンジしています。その理由、今後AIで実現しようとしていること、そして前回のインタビュー時からのご自身の変化・進展など話を聞きました。

SI事業本部 東日本事業部 SE M.U. さん SI事業本部 東日本事業部 SE M.U. さん SI事業本部 東日本事業部 SE M.U. さん

1981年、東京都北区出身。高校卒業後、職業訓練校を経て一念発起して大学受験し、プログラミングを学ぶ。システム開発会社1社を経て、パートナーに転職。Webアプリケーション開発プロジェクトでの開発リーダーを務めた後、現在、AI関連業務に就業中。

01.AI関連業務の依頼が私に!!

新たなチャレンジの機会を得たと実感

AIを専業とする会社からの依頼

―― 前回お話を伺ったのは約2年前ですね。その時は、チームリーダーとして活躍されていました。現在は、どのような状況ですか。
>>前回のインタビューへ

現在はAIを専門とするお客様先で就業しています。
2年の間にAI関連の仕事に接する機会があり、興味・関心が高まっていた矢先、現就業先からオファーをいただきました。AIにチャレンジするチャンスを逃すまいとオファーを受けました。

―― 機会を生かしたわけですね。

当時のお客様からは続けてほしい意向があったのですが、後輩メンバーがだいぶ成長していましたので、十分にパフォーマンスを出せるということでご納得いただけました。
何より、私自身がAI専門の会社で働いてみたい思いがありました。パートナーとしてもAI業務分野を開拓したいとのことでしたし、その点でも、タイミングが良かったように思います。

―― その際、不安は感じませんでしたか。

不安というより、パートナーではまだAIを専門として関わっているエンジニアはいませんので、自分が先陣を切って挑戦することにやりがいを感じました。この分野で自分が成長し、まだAIに一歩踏み出せないでいるエンジニアに対する支援や後押しができるようになり、後輩のための機会を創る役割になれればいいと思いました。

実際、これまで一人で現場に行き、言語も一から学ぶことを数多くやってきました。そんな経緯もあり、「新たなチャレンジの機会を得た」というのが正直な実感です。仮にダメでも、今まで培った知識・経験がなくなることはない。とにかく、やれるだけやってみようとの思いでした。

02.AIの持つ可能性は無限大だと感じます!

AIで社会貢献したい

―― AI業務に就いて、約2ヶ月が経過しました。業務はいかがですか。

詳しくは話せませんが、担当しているのは、画像認識をするための仕組みづくりといった部分。本当の意味でのAIの面白さまで、まだたどり着けてはいませんが(笑)。

エッジコンピューティングといわれる端末における処理では、画像認識ですばやく正確に認証できることがポイントとなります。端末内で作動することにより、個人情報の流出を防げますし、僻地など電波が届かないところでも認証が可能となります。パスワードだけでなく、顔認証を含めることで、セキュリティを強化するなど実現できることが広がります。

AIの持つ可能性は無限大です。今後、どのような展開になるのか、非常に興味・関心があります。何より大きいのは、AIが社会貢献に寄与すること。自分にとっても大きなやりがいとなります。ちなみにやりがいの対象については、いろいろな考え方があると思いますが、
私の中では、
①自分のやりたいこと、興味のあること
②自分のできること
③社会が求めていること
④それらに関わることで成果を出し、報酬が得られること
この4つがうまく重なった部分で仕事をできれば、やりがいが感じられると定義しています。

―― 前回から、どのような意識の変化がありましたか。

前回、AWSの資格を取ろうという話をしましたが、自分自身の業務とのつなぎが少し薄く感じていました。一方でAIは、今持っている技術を生かしながら、新しいことに取り組める。そこに大きな魅力を感じました。AI関連に進むことができてうれしいです。ただ、社会貢献については、今はまだ学ぶだけで精いっぱいの状況。これからどんなことができそうか探っていきたいです。

―― キャリアチェンジにはご苦労もあるのではないですか。

準備期間として、プロジェクト参画前にAIの学習を進めていましたが、時間を確保するのに苦労しました。前の業務をしながら、いろいろと工夫して、参画する前になんとか100時間くらいAIの勉強ができました。一応、基礎的な部分は身につけたうえで、業務に入れたように思います。新たな仕事に関わる場合は、勉強時間をとる工夫が必要です。

―― そうした中で、心掛けていることは何ですか。

仕事も家庭もより良く過ごしていくために、今、自分自身が何をしたらよいのかを常に考えています。その際、大事にしているのは固定観念で決めつけないで、相手とよく話し合うことを心がけていますね。
また、小さな2人の子ども(2歳、7歳)がいるので、帰宅して家のことをしていると、平日は自分自身の時間が取れません。朝も、保育園に送りに行ってからの出社となります。子どもに関しては、今、しっかりと触れあっておかないと、もうすぐ親離れしていくでしょう。ですから子どもたちとの時間を意識しています。大変ですが、子育ての面でも充実した生活を送っています。

03.リモートではメンバーとのつながりが大切

「よもやま会」でチームを変化させたい!

リモートではメンバーとのつながりが大切

―― この2年間、メンバーとの関係性で何か変化したことはありますか。

次世代の人たちを育てること。メンバーに、どういう影響を与えるか、どういう環境を作れるか、という意識が非常に高まってきましたね。

実は昨日、パートナー全体でのキックオフミーティングが開催されました。(※インタビューは翌日に行いました)
その中で、九州のエンジニアが自分たちを4つのチームに分けて、Slackで連絡を取り、内容の共有をしながら、Zoomで「よもやま会」を実施している事例を発表していました。新しくチームに入ってきた人、まだ仕事にうまく馴染んでいない人などに対して、より良い仕事の仕方など、テーマを決めて相互に話し合いを行うというものです。「よもやま会」がもたらす効果・効用を知り、刺激を受けました。いろいろなところでそうした機会を持つことができれば、一人ひとりに対する各メンバーの興味・関心がわき、連鎖反応でチームとしてのつながりができます。その結果、チームとしてのまとまりが非常によくなると感じました。

私のチームでも、Slackでメンバー同士がつながっています。あるメンバーが「こんなことをやってみよう」とコメントをしたら、それに「いいね」をするメンバーがいます。そこで「よもやま会」のような取り組みをやってみようと思いました。
※Slack「スラック」:ビジネス用のメッセージングアプリ

コロナ禍が始まった頃、無料で使えるSlackが便利だと、チームメンバー全員でやりとりしていますが、現段階では「週報」を送ってもらうなど、業務報告が主な内容です。Slackの中ででも、自分がそのチームに存在しているという「安心感」が生まれるのは、意味があるように思います。

お客様先で業務しているので、仲間が隣にいるわけでもありませんから、300人の社員の一人なのだと実感する機会が少ない。だから、3か月に1回の全社キックオフは大切な機会になっていますし、チームごとのつながりも大事にしたいのです。「よもやま会」の話を聞き、もっと活用してみたくなりました。

04.チームとしての一体感を醸成する

いかに一人ひとりが自覚できるか

―― 前回インタビュー時以降の変化として、どのようなことを感じていますか。

メンバーが成長してきたことを実感しています。それが一番の変化です。だからこそ、AIに対する新しいチャレンジをすることができました。

次世代のリーダーへ向けた意識が芽生え始めているのではないでしょうか。頼もしい限りです。成長には本人の自覚・努力が不可欠です。そのための後押し、サポートをこれからも続けていくことが重要だと感じています。

05.新たな成長ステージに向けて

お客様とWin-Winの関係を

新たなステージに向けて

―― 最後に、エンジニアとして実現したいことをお聞かせください。

改めてですが、社会に対して貢献すること。新しい領域、仕事に積極的にチャレンジしていくこと。そこで、やりがいを見つけ、活躍できる場を広げていきたいです。私も他のメンバーもやりがいを持って、機会が広がっていけばいいなと思っています。

今はどんどん成果をアウトプットしていき、お客様に評価してもらうことが大事だと思っています。そうすることで、チーム化するメリットを感じてもらいたいと考えています。だからこそ相互にWin-Winの関係を築くことが大切。2か月経って、お客様が実現したいことを形にして見ていただけるくらいにはなってきました。

報連相を密にすることで、私たちの取り組みや成果が見え、安心していただける。そこは評価をしてくださっていると感じますし、強く意識して取り組んでいます。

経験が足りなかった頃は、失敗を恐れて、新たな案件に手を上げなかったこともありました。しかし、いろいろな就業先を経験し、技術を学んでいくことで、チャレンジできるようになってきました。

自ら先陣を切って、責任を持ってやっていかないことには後ろが付いてきません。戦っている姿を、しっかりメンバーが見てくれていればいいなと思います。以前は「エンジニア35歳定年説」なんて言われていましたが、40歳を過ぎてもチャレンジする私の姿を見て、勇気をもってもらえたらいいですね。


インタビュー風景
インタビュアー:人材マネジメント・ライター 福田敦之

インタビューを終えて

新たなチャレンジが、人と組織のさらなる成長をもたらす

M.U.さんは、未経験だったAIという新たな分野にチャレンジする姿を自ら見せることにより、チームに対して大きな貢献を果たそうとしています。その結果、チームのメンバーのモチベーションが上がり、チームとしての成長が図られると。今回のM.U.さんのAI分野へのチャレンジは、これからのエンジニア、チームリーダーとして、まさにお手本となるのではないでしょうか。

福田敦之
人材マネジメント分野を中心に、ライター として取材活動を行いながら、人事・教育関連の主要専門誌やWebサイトへと執筆。他方、ベンチャー企業 に対する人事・教育コンサルティング、人事制度設計・導入、大学等での講師を歴任している。